『桃太郎』 作:鴉別府 鼻勝
桃太郎
もう、何十年も前の話なんだけど、とっくに死んでしまった俺のじいさんがした『桃太郎』の昔話は、諸説語られる物語とは何処となく違っていた。
何度、思い返しても、世間一般に語られるその物語を捻じ曲げてまで捏造し聞かせて、単に自分を動揺させたかったのか?
話を盛り上げるために、いろいろと話を混ぜたりしてたのか、やっぱり、そのときすでに惚けが入っていたのか……もはや、確認の取り様は無い。
えらいこと昔、村の外れの山に何不自由なく暮らしていた若々しい夫婦がおった。
ふたりは毎日のように若々しい素肌と素肌を重ね合わせ、連日連夜、愛を育んでおったのだが、残念なことになかなかに子が出来難かったのじゃ。
そんなこんなで、いろいろな四十八手を尽くしてはみたんじゃが、ことごとく、枕の泣き濡れる結果に終わっちょった。
そんな中、子宝に恵まれると言う桃の木があって、その木に生る桃を食べると立ち処に子を生せる。という噂を耳にしてのぅ。
かなり遠い場所じゃったんじゃが、子の欲しかった老夫婦は、重装備をして、いざ、その子宝に恵まれる桃の木とやらがある山に向かったんじゃ。
そして、途中、山賊やらに、その装備を奪われたりしながらも何とか、お目当ての桃の木に辿り着いたんじゃ。
夫婦は目を疑った。なんとその桃ン木には、桃がひとつも生っていなかったのじゃ。神さまとは何と残酷な仕打ちをしなさる!
怒りが頂点に達した夫婦は、そこで桃の木、いや、神さまに魅せ付けるように、もう、どうにでもなってしまえと、春の息吹を感じながら肌と肌を重ね合ったのじゃ。
それから、何年かが経過した。なんと子に恵まれなかったあの夫婦にようやく本当の春が訪れておった。第一子の誕生じゃ。
夫婦は痛いことに、桃太郎、と名付けて大切に育てておった。桃太郎は割と普通に育っていき、正義感溢れる男として村で一目置かれる存在となった。
じゃが、思春期のとき、自分が桃の木の前で野外でアレをして、生したから桃太郎になったらしいでぇ。
という噂というか、真実を彼を嫌う連中に囃され、心を痛めてしまってのぅ。
烈火の如き怒りで、両親を問い詰め真実を聞き出し愕然とした桃太郎。一度、家庭が崩壊しかかったが、持前の男前で、何とか立ち直った。そうまでして両親は自分を産んでくれたのだ、そう納得したんじゃ。
そして桃太郎が成人を迎えたとき、世の中は荒れ荒んでいっておった。じゃが、そんな中でも、彼の村は潤っておった。
両親がやっていたきびだんご屋が大層に繁盛しておったからじゃった。
じゃが不穏な話が飛びかい始めた。村の南方では、人では無い、鬼、が財を奪いまくっておって、近々この村までやってくるかもしらんと。
そんな感じの話じゃった。鬼、か……一度、拝見してみてぇし、ひょっとしたら、俺、勝てるんじゃね? 叩かれる前に叩いてやる。そう意気込んでのぅ。
……正義感と好奇心の強かった桃太郎は、両親を説得し装備を整え、自宅で飼っている大型の土佐犬ビスマルクを従え、自宅のきびだんごを近隣の村に広めながら、鬼の情報を集めて行ったのよ。
道中、ひとつの小村で、山を切り拓いたため餌が無くなったため、人里を集団で襲う大猿の軍団に囲まれ、売物であるきびだんごを奪われ、途中飼主を庇って、ビスマルクは右目を負傷してしまう。怒りのボルテージの上がった桃太郎は、持前のガッツと男前で何とか、ボス猿、マチオとのタイマン勝負持ち込み、ギリギリで勝利し、俺は鬼とも戦える! そういった自信を自らつけて行ったんじゃ……。
猿と人間の間にこれ以上、山を切り拓かせない約束を取り付けた桃太郎に感動した大猿マチオを仲間に惹き入れ、きびだんごを売りながら、さらに南下して行く桃太郎一行。
そこでやたらと美人が居てホイホイ付いて行くと騙され、金品を奪われ、気が付くとあばら屋に寝ており、甘い香りと雉の羽が残されていた。という、噂を聞く。
どういうわけか、今までの噂は真実であったことの方が多いということを確信していた桃太郎は、いっちょ化かされた振りをして退治してやるか……ぐへへへ、とその女が現れるという橋に単身向かってしまう。
そこには、噂とは違う、目に光を失ったような疲れ切った女性が座り込んでおったのじゃ。桃太郎は、あの、あなたがあの雉女ですか? と単刀直入に聞いてみた。
そうね、私は……かつては、雉だったのよ。それは思った以上に艶っぽい声じゃった。
まるで耳元に息を吹きかけられたように囁かれたような……そんな甘美な声じゃった。
私は、優子。貴方を導く女。そこで私の正体を教えて差し上げるわ……うふふ、うふ、うふふふふ……。
催眠に掛かったように見事に操られ、雉女にホイホイと付いて行く桃太郎。
なんと、奴はそのような若干、不思議がかった女性に弱かったのじゃ……
その様子を木と草陰で監視という名の出歯亀をしちょった、大猿マチオと忠犬ビスマルク。
ビスマルクは、マチオに右目をやられて以来、その目が、奇妙な像を捕えるようになっていた……。女の姿と重なるように映る像は、本当に鳥の雉そのものじゃったんじゃ。
ビスマルクの右目は女が人間ではない、ということ一瞬で見抜いたのじゃ、まさに怪我の功名!
それは、人に化ける鳥人と呼ばれる絶滅危惧種の雉一族の女だったのである。
マチオとビスマルクの活躍で、危うく全財産の盗難を回避した桃太郎じゃったが、雉女は飛ぶよりも走る速度が速く、幾度となく、桃太郎の操と財産を奪おうと憑いて来た。
そんなこんなで、仲良く喧嘩をしつつ、両親のきびだんご屋を世に広めながら、鬼の噂を訊ねつつ、南下していき、いよいよ鬼とのご対面と遭い成るわけじゃった。
桃太郎一行は噂を頼りに、鬼の被害があったと言う村に立ちより、愕然とする。
村は焼け破壊され、目を背けるような惨状であった。
これは一刻も早く、鬼とやらを退治せねば! 心に深く刻み込む桃太郎。
まぁ、鬼、など言っても、お前の貧困な想像力では余り想い浮かべきらんじゃろうから、ここでパーソナルなデータを、開示しておこうかのぅ。
姿形は人間にそっくりなんじゃが、身長はざっと3mと言ったところで、大食漢で乱暴で、切れやすく、肌の色は青やら赤やら単色ではあるんじゃが、割とカラフルなんじゃ。
そして、額の部分から、角が肌を突き破って生えておるんじゃ、本数はピンきりじゃ、多い方が偉いのかもしれん。下半身は一応、腰蓑を付けたり、虎の皮を加工したパンツのようなものを着用しており、羞恥心はある。やたらとでかい金棒と呼ばれる金属バットにイボのような突起物がぼこぼことした得物も装備しておる。
正直、腕力だけでは、人間ではまったく太刀打ちが出来ないのじゃ。
じゃが、彼らには明確な弱点が在ってのう。そう、節分を知っておれば答えは簡単じゃ。乾燥した大豆が苦手なんじゃ。
そこで、両親を説得し、大量の大豆を先物取引で競り落とした桃太郎一行は、大量の大豆を持ってして、鬼の本拠地、鬼ヶ島に攻め入り、凶悪な鬼の首領と激しい戦いを繰り広げた。
豆アレルギーで泡を吹いて倒れて行く鬼たち。
そして、ついに鬼を退治した桃太郎は、鬼が貯め込んでいた財産を奪い返したんじゃが……、強欲な雉女、優子の策略に嵌り、鬼の首領を取り逃がしてしまう。
ビスマルクは毒に倒れ、マチオは左腕を千切られ、桃太郎は全身を酷く打ちすえ、なんと鬼ヶ島に置き去りにされてしまったのじゃった!
そこで、どういうわけか鬼の娘に救われる桃太郎たち。そこで鬼の娘に刺激的な……Zzz。
と、ここで、おじいさんの方が寝てしまい続きが気になって仕方が無かったのだが、翌日は都会である家に帰ってしまい、続きは聞けぬまま、じいさんは他界してしまったので、続きは俺が引き継いで、知人の子に伝えて行こうと思っている……。(終)
あんた短編小説非常に上手いよ!!
ただね。アンケートと言うか、投票のシステムは主観に溺れて失敗ね。
考えてもごらん・・・真面目に読んだ誠意のある人なら
どっちが酷いなんてネガティブキャンペーンみたいな投票は、し難いでしょう。・・・鼻勝さんのほうが気に入ったとして、相対的に、「かっぱこぞうさんのほうが酷い」・・・に投票すると思いますか?
何で折角アンケートに答えようとする善意の第3者に後味悪い思いさせるのですかあ?
・・・と言う事で、投票する積りで読みましたが、投票する気は失せました。
照れなんでしょうけど、主観的過ぎます。自意識過剰・・・ってやつ。
気心知れた仲間内のブラックジョークじゃないんだから、普通にどっちが良い・・・とやったほうがお互い気持ちいいと思いますよ。
冒頭などは彷彿とさせます。
盛り込み具合が段違いなのと語り口が好きなので、
鼻勝さんに一票。
自分の芸風のせいで、気分を害してしまったようです。
これは実生活でも同じような感じなので、まぁ……嫌われます。
悪ふざけが過ぎるんですよ。へそ曲りの天邪鬼なんです。
解っているけども、直せないんですね……。
ということで、普通の投票に戻そうと思ったら、この時間繋がり難いんです。
オリジナル原版の桃太郎の話はまったく知りませんし、
覚えていたキーワードのみで書いたので、こんなことになってしまいました。
色んな要素入ってますね。そして大人な話だなあ。
江戸時代のもも太郎って確か子供のいないおじいさんおばあさんが
桃食べたら元気になって子供つくっちゃう話でしたっけ。
最後に全然違う話題ですけど、鼻勝さんてアフィやってるんですか?
御供も明治辺りからでてきたみたいですし、ウィキぺディアで、
今、見たんで本当かどうかは知りませんが……。自分のは、
落語の桃太郎みたいなオチに被ってました…ていうか、落語版もあるのかと思いました。
アフィリエイトは、根性と忍耐力さえあればできるらしいですけど、自分はやってないです。
といっても、知れてるけれど....
本買って終了しましたけど、ブックオフで。
割と場所とかが遠いし、行かんなぁ……。
仰ぎ見る方々との素敵問答
とても上手いです。・・が・・
面白い
冒頭などは彷彿とさせます。
盛り込み具合が段違いなのと語り口が好きなので、
鼻勝さんに一票。
Re: とても上手いです。・・が・・
自分の芸風のせいで、気分を害してしまったようです。
これは実生活でも同じような感じなので、まぁ……嫌われます。
悪ふざけが過ぎるんですよ。へそ曲りの天邪鬼なんです。
解っているけども、直せないんですね……。
ということで、普通の投票に戻そうと思ったら、この時間繋がり難いんです。
Re: 面白い
オリジナル原版の桃太郎の話はまったく知りませんし、
覚えていたキーワードのみで書いたので、こんなことになってしまいました。
色んな要素入ってますね。そして大人な話だなあ。
江戸時代のもも太郎って確か子供のいないおじいさんおばあさんが
桃食べたら元気になって子供つくっちゃう話でしたっけ。
最後に全然違う話題ですけど、鼻勝さんてアフィやってるんですか?
御供も明治辺りからでてきたみたいですし、ウィキぺディアで、
今、見たんで本当かどうかは知りませんが……。自分のは、
落語の桃太郎みたいなオチに被ってました…ていうか、落語版もあるのかと思いました。
アフィリエイトは、根性と忍耐力さえあればできるらしいですけど、自分はやってないです。
といっても、知れてるけれど....
アンケート関連は暇潰しにやってます。
本買って終了しましたけど、ブックオフで。
会場調査は行ったこと無いなぁ。
割と場所とかが遠いし、行かんなぁ……。




あんた短編小説非常に上手いよ!!
ただね。アンケートと言うか、投票のシステムは主観に溺れて失敗ね。
考えてもごらん・・・真面目に読んだ誠意のある人なら
どっちが酷いなんてネガティブキャンペーンみたいな投票は、し難いでしょう。・・・鼻勝さんのほうが気に入ったとして、相対的に、「かっぱこぞうさんのほうが酷い」・・・に投票すると思いますか?
何で折角アンケートに答えようとする善意の第3者に後味悪い思いさせるのですかあ?
・・・と言う事で、投票する積りで読みましたが、投票する気は失せました。
照れなんでしょうけど、主観的過ぎます。自意識過剰・・・ってやつ。
気心知れた仲間内のブラックジョークじゃないんだから、普通にどっちが良い・・・とやったほうがお互い気持ちいいと思いますよ。