気にかかること。
ただひたすらに混沌である。
誰も私のことは解らぬし、私自身が自分のことが解らない。
解ろうとしてもそれを詳しく知るすべが無いし、
また、知ろうとも思わなかった。
このまま、自分が何者か解らんでもいいと思う。
ひとつだけ言えることは、どうも、人間が何となく嫌いだということだ。
何でこんなに人間そのものが嫌いなんだろう。
それが解れば、少しは気が楽になるんだろうが…。
人として生まれちゃったのに、人でなしの世界に憧れるわけですが、
どちらにしても、不自由な生き方しかできまへん。草枕。
もう少し何とか成らんか…
妖怪色、つうか色気が足り無いんだよ、アニキ。
まぁ、いいんです。
元々、文章なんか生業にしていないので、どうだって。
おもいったったときに、書きなおしゃあいいんです。気楽なもんです。
今は、盛年失業家を頑張ります。
どう頑張りゃいいのか、さっぱりですが。
近代付喪談【1】
近代付喪談 第壱談 『微似海月』
その日は、長い間、泳いでいた。だいぶん、日も落ちてきている。
妻は、浅瀬の方で、浮き輪とともにたゆたっている。
こちらに手を振っているところを見るとそれなりに楽しいようだ。
次に振り返った時は、浮き輪だけ残し、姿を消していた。
姿を探すと、何かを持って浮かび上がり浜に戻っている。
海底の底に沈んでいたと思われる、たこのまくら、の殻を砂浜に並べて遊んでいる。
ふと、笑いながら自分の周りを見渡すと、ふらふらと海中を漂う半透明の物体に囲まれていた。
クラゲか? と思った時、足にぞわぞわとしたモノが触れた…。
マズイ、刺されたか! と海面から足の近辺を見ると丸っぽいスイカ大の未確認の半透明物体が居るではないか!
何じゃこりゃ〜、と焦った私は、急いで浜へ戻って、犬掻きで逃げだした。
しばらく泳ぎ、その足に触れた物体を振り返ると、何やら物体が赤っぽく染まっている。
えぇ! 出血!? と思って自分の足を確認したが、別に痛みも出血もなかった…。
もう一度見ると、それは何かの文様が施された化物のように映っている。
急に、下から何者かに足を引っ張られた。驚いてパニクる私の横を人影が踊り、その妖怪を捕まえる。海面に上がると同時に笑い声を浴びせられる。
「何をあせっとるか、小心者」
妻が、半透明の物体を高らかに水面に揚げた。


