鼻勝の理

こんブログは鴉辺譜鼻勝(アベフ ハナカツ)、永遠の19歳歴18周年を迎えたウルトラメディアエキセントリッカーの読んだ分だけ寿命が弾むブログです。日本銀行券だけください。

鼻勝の理 TOP > 月別アーカイブ [ 2005年06月 ]

珍説百物語【9】


蝋燭:九本目『紅き手』


 テレビ画面に映る電話番号をチラシの裏にメモ書きしていると、耳元に不快な羽音が、プィーンと鳴り遠ざかる。
 夏の小さな吸血鬼、蚊のお出ましだ。
 すぐさま、気配を感じた辺りで、拍手を鳴らす。
 手の平に潰れた吸血鬼から、紅い血が、こぼれていた。
 ティッシュで、その汚れを拭き取る。
 何だか急に不快な気分になった。
 急に背中にかゆみを感じる。
 どうやら、背中のど真ん中を蚊に刺されたようだ。
 う! ……手が届かない。
 痒い患部に、どうやっても、手が届かない。
 どんどん、どんどん痒くなって行く。何だこれは、蚊の呪いなのか!?




web拍手 by FC2
応援して頂けるのでしたら、黄色優先でClick!! ↓
blogram投票ボタン にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム制作へ

珍説百物語【8】


蝋燭:八本目『紅い手』


 テレビより、流れるむせび泣くサックスとこぶしの効いた歌声をBGMに、俺は、夢の世界へと今、まさに旅立とうとしている……。
 ふと、対面に座るおふくろを見ると、イビキ全開で、すでに旅立っていた。呑気なものだなぁと思いテレビのチャンネルを替える。
 通信販売ならではの名物社長が、数々の汚れた品物を、何やら謎の粉を溶いた水だけで、魔法のように、次々と綺麗にして行く場面が、大袈裟に、そして、延々と映し出される。
 半分催眠術に罹ったような状態になっていた俺は、凄いなぁ、面白いなぁと、社長のトークに惹き込まれて行く。お電話番号は、こちらです!
 画面に、映る電話番号をチラシの裏に思わず控えてしまう。




web拍手 by FC2
応援して頂けるのでしたら、黄色優先でClick!! ↓
blogram投票ボタン にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム制作へ

珍説百物語【7】


蝋燭:七本目『艶歌を唄う骨』


 ちょうど良い音量に切り替わったテレビを眺めていた。
 しかし、テレビの内容のほとんど、片方の耳から入り、もう片方の耳から抜けて行く。
 都会での俺の暮らしを知らないおふくろにどう声をかけるか、そのきっかけを探している……。
 そんな状態が、20分ほど続いただろうか、おふくろが思い出したかのように老眼鏡を取り出し、脇に置いてある新聞を裏返し、読み始めた。
 そして、黙り込んで、リモコンを持つ俺に言った。
「もうすぐ、始まるねぇ、チャンネル変えてくれ」
 おふくろに、言われるままにチャンネルを変えていく……。
 新人のお笑い芸人の拙い漫才。
 悲しげなニュースを読み上げるキャスター。
 舞台にずらっと並んで立つ演歌歌手。
 悲惨な外国の戦争のドキュメンタリー。
 白骨化した骨などが転がっている怪奇映画……。
 次々と変化していく画面におふくろが言った。
「あぁ、違うそれじゃないよ、もっと前だ」




web拍手 by FC2
応援して頂けるのでしたら、黄色優先でClick!! ↓
blogram投票ボタン にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム制作へ

珍説百物語【6】


蝋燭:六本目『怨霊・蛙の怪』


 上手い晩飯を平らげ、自分の食べた食器類をおふくろと一緒に台所へと片付けに行く途中、庭の方から、ゲロゲロと蛙の鳴き声が聞えてきた。
 幼少の頃に聞き慣れていたその鳴き声に、改めて帰ってきたのだなと思い、そして、これから俺はどうするのか? と言う現実に引き戻される。
 このまま、田舎の健康的な暮らしに戻った方が良いのだろうか? それとも…。
 台所に着き、俺が炊飯器を棚の上に置いた瞬間。
「おまえ、やっぱり向うで何かあったんだろ」
 おふくろが、食器を洗いながら振り返らずに尋ねる……。
 俺は何も言えずに黙り込んでしまう。
 暫しの沈黙の後。
「まあ、話したくなったら、言うがええ。後片付けが終ったら、テレビの続きでも見るで、先に戻るなりしてろな」
 おふくろはそう言うと、再び食器を洗い始めた。
 居間に戻り、テレビを再び付ける…が内容は当然、頭に入らない。
 おふくろの言う“向う”での出来事、奇怪な事件。
 そういったものが、グルグルと頭の中で掻き回される。
 何故か、外の蛙の鳴き声がここまで聞えてくる。
 凄く耳障りで不快なゲロゲロゲロと言う鳴き声。
 リモコンで、テレビの音声を大きくして掻き消してやる!
 しかし、何度も、リモコンの音量を大きくするボタンを押しても音が大きくならない。
 逆に、小さくはなる…そして、ついに蛙の鳴き声しか聞こえなくなった…。
 いつの間にか、おふくろが背後に立っていた。吃驚する俺。




web拍手 by FC2
応援して頂けるのでしたら、黄色優先でClick!! ↓
blogram投票ボタン にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム制作へ

Top

HOME

05 | 2005/06 | 07
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

本家の更新が全然無い。

BlogPetそげ松、ここに永眠。
2005年7月29日~
2008年11月15日没。

  • 鴉辺譜 鼻勝(アベフ ハナカツ)
  • 控え目で飾らない男らしい
    あるいは、良い人(他人談)

名前:
メール:
件名:
本文: