鼻勝の理

こんブログは鴉辺譜鼻勝(アベフ ハナカツ)、永遠の19歳歴18周年を迎えたウルトラメディアエキセントリッカーの読んだ分だけ寿命が弾むブログです。日本銀行券だけください。

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珍説百物語【26】


蝋燭:弐拾陸本目『狂気の夜! 乙女解体ショー』

 無職、それは不治の病……そう思っていた時期が俺にもありました。
 流石に死んだあいつのために貯めていた財産を使い尽すわけにはいかない!
 天国のあいつに申し訳が立たぬ! その一心で、何とか再就職先が見付かったのである。
 何やら、部品を組み立てるそんな工程を延々とやるのである。
 何を作っているのかはパーツを見るだけではさっぱり分からないが、そんなことを考えるより、指定された作業を完璧にこなすことに今は集中するべきであろう。
 俺は機械の一部になったのだ! と半田を付ける作業に夜中から没頭する。
「キキュエー、頑張っている?」
 午前中の引き継ぎの挨拶を田辺さんがしてくる、なぜか奇声なので、
「ピュエー、頑張ってます」
 と、返す。正直眠かったのである。みんなテンションがおかしい。
「今度の休みは君のために特別にエロイ歓迎会をするよー、夜の街にがおー」
 少し、陰りを見せた俺に、なぜか歯を見せて笑う田辺さん。
「ふふふ、一度、あの、狂気の夜に…行けばわかるよ…キュへへ!」
 そうして、あいつのことを忘れてしまうのだろうか……どうなんだろうか?






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珍説百物語【25】


蝋燭:弐拾伍本目『死祓う冥界の札』

 郵便受けに税金の請求用紙が入っていた。
 仕事も世話をできないくせに、税金だけ持っていく政府に絶望した!
 などとブツクサ言いながら、銀行へと向かう。
 死んでしまったあいつのために貯めていたはずの貯金も、いまや風前の灯である。
 このまま仕事が見付からなければ、この納税すらもおぼつかないのである。
 もういっそのこと、相談して免除してもらった方がいいのではないか?
 目の前が暗くなる毎日、どうしたらいい? おふくろ……。
 国よ、政府よ、この迷える無職に職を与えたもれ!
 お主、死相が見えるのう。誰だ?! ふふふ、私はお前の中の爆弾だ!
 なっ、なんだって~!! 死に呪われている俺なのであった……。
 などと、できの悪い酷い脳内妄想に耽っているうちに、口座から必要金額を卸して、用紙に記入し受付の順番を待つ。あぁ、愛すべきお金が消えてゆく……。




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珍説百物語【24】


蝋燭:弐拾本目『死者も食べる怪少女』

 全てに心の癒されないこの無限とも続く、日々はいつまでも続くのであろうか?
 すぐに今すぐに事切れてしまえれば、全てのことに決着がつきそうな気もするのだ。
 そんな想いにとらわれながら、ぼんやりとおふくろの方を眺めると、深く刻み込んだ皺でこちらを見返した。
「どったの? また、あのことでも想い出したか?」
 いや、そうじゃないが……と曖昧な返事を返しながら、これからの未来についてやはり暗澹たる気持ちになるのであった。
 そのとき、村の行事として行われている小学生を対象にした廃れ行く伝統風習。
 古くから村に伝わる古典芸能にやつした服に身を包んだ少女が数人やってきた。
 各家々を回り、その住人に魔除けの舞踏を踊り、幾らばかりかの代金を受理するという、そういうシステムになっているらしい。
 自分が子供のときは……そうか、基本、女の子の行事だったからいまいちピンときてないのか。
 その舞踏は、死者を沈め、極楽冥途へと誘う、そんな謂れがあったとかなかったとかというのは覚えている......。
 プァ~という謎の和楽器をBGMに実に古風な服装の少女が舞う。
 その舞踏に目を奪われる俺。こんなのだったっけ? 心が洗われるようだ。
 ふと、2度と会えなくなってしまったあいつの笑顔が遠く儚げに光の中へ、口元が何かを言っている? ありがとう、ありがとう……。
「ありがとうございました~」
 一仕事終えて、安心した女児の笑顔が美しい。
 ティッシュに包んだ数回折り畳んだ日本銀行券を渡すおふくろ。
「それはそうと……」






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珍説百物語【23】


蝋燭:弐拾参本目
『死体ゲーム』

 時折、最愛の人を失ったあの事故のことが脳裏に浮かんでは涙する日々…胸が締め付けられる想いで繰り返し反芻しながら、少しづつ、心が平穏を取り戻せてきたような気分になって来ている。
 いつも通り、お袋の特に上手い麩の味噌汁を啜りながら、テレビのニュースに耳を傾けていた。
 何でも長寿に認定されていたお年寄りの所在が掴めないという事件が多発しているらしい…死んでいるのに死体を隠したり、死亡しても届も出さずにそのまま放置して、不正に自給した年金を懐に入れて暮らしていたとか、遺体はミイラ化していたりとか、そのような話であった。
「いよいよ、日本の長寿神話も壊れちまったなぁ…」
 と、長寿に近い部類に入れそうな気がするお袋が言いいながらこちらを向いた。
「あんた、わしが死んだら、ちゃんと死亡の届けをだしとくれよ! 向こうでダーリンに再開したいけんの」
 ダーリンて…俺が死んだら、あいつと再会できるのかな…いや、そんなことはあいつは望んでいないはずだ。別のことを考えよう、これからの俺のこと、いつまでもお袋の世話になるわけにもいかない。
 しかし、働きたくないでござる。
 お袋はもう年金を貰える年齢だ…いくら貰えるんだろう? もし貰えたとして、さっきのニュースみたいに死亡届を出さなかったら、働かなくてもそこそこ行けるんじゃないか…。
 死体を上手く隠し通せれば…何処に隠したらみつからないだろうか? などと人道外れたことが過ってしまった。
 だがすぐに、腐りゆくお袋の顔。事故で燃えるあいつの姿が脳裏に浮かび、具合が悪くなり、そのまま後ろに倒れた。




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珍説百物語【22】


蝋燭:弐拾弐本目『邪悪の底の扉』


 『開かずの扉』というものには、そうそうにはお目に掛からないものであろう。
 だが、自分の一生の中で、開けることの無い扉は、それこそ無数にある。
 また、開けることができるのに、何故か開けることのできない扉もある。……扉の向こうに潜む恐怖のために……。
 心の奥の触れられたくない過去を封印することを、心に鍵を掛ける。と表現することが在る。
 鍵を掛けるのは、箱なのか、扉なのか……。
 俺の中では、それは箱ではなく、イメージとしては大きな扉であった。
 それも、オーギュスト・ロダンが完成させることの叶わなかった『地獄の門』である。さながら、自分はその上で思案に暮れる『考える人』そのものであった。
 この扉を開ける鍵は何処にある。もしや、この扉の向こうにあるのではないか?
 そして、恐ろしいあの事件の扉はいつも少しだけ開いていて悪夢を上映する。
 本来、飛び出してくるはずの無い場所で子供が道に飛び出して来る。
 運転する最愛の人は、その子をかわし損ねて撥ねる。
 壁に激突して車は大破。大惨事である。
 私はその隣にいたのに、何もできなかった。
 彼女は死んだ、目の前で死んでしまった!?
 その場所は、確かに見通しの悪い場所だったとは思う……。
 幾度となく、そこでは事故が発生していたらしい。
 そこで、不穏な噂を耳にした。
 飛び出して来たその子が死んで、ぱったりとその場所で事故が発生しなくなったという事実。
 それが意味することの先を少しだけ開いた扉から覗くのが怖い……。
「おい、歩きながら寝るな!」
 お袋の言葉で我に帰る。朝御飯ができても起きてこない俺を呼びに来たらしい。
 歩きながら物凄い根癖を弄びつつ、独り考えに没入していたらしい。
 目の前には扉が在る。だが行き止まりのような気がして、右に方向を転換する。





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BlogPetそげ松、ここに永眠。
2005年7月29日~
2008年11月15日没。

  • 鴉辺譜 鼻勝(アベフ ハナカツ)
  • 控え目で飾らない男らしい
    あるいは、良い人(他人談)

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